ALS女性殺害、逮捕から1週間 焦点は2医師の役割分担や報酬の行方

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の女性に薬物を投与して殺害したとして、嘱託殺人容疑で2人の医師が逮捕されてから30日で1週間。京都府警は一貫して「安楽死ではなく、嘱託殺人」だとして捜査を進めている。根拠とするのは、死を望んだ女性と、報酬を求めた医師との間でかわされた水面下のやりとりだ。府警は今後、金の動きや殺害の具体的な経緯、2医師の役割などについて慎重に捜査を進める。

 ■水面下で連絡1年

 「訴追されないなら、お手伝いしたいのですが」

 「『お手伝いしたいのですが』という言葉が嬉しくて泣けてきました」

 仙台市の呼吸器内科医、大久保愉一容疑者と女性は、ツイッターでこのようなやりとりをして以降、事件発生までの約1年間、互いに連絡を取り合っていた。ただ、誰の目にも触れるツイッター上でのやりとりで嘱託殺人を想起させるやりとりは、これくらいだ。

 捜査関係者によると、事件の詳細に関わる内容は、他人から見えないSNSのダイレクトメッセージやメールでやりとりしていたという。大久保容疑者はこれらのメッセージの削除を女性に要求、女性もこれに応じていたことから、府警は女性や容疑者側のパソコンなどのデータを復元。その中で、女性が「お金を払ってでも死にたい」と伝えたり、大久保容疑者が報酬の振込口座を教えたりしていたことなどが判明した。

 「女性と容疑者の間には、明らかに殺害依頼といえるやりとりがあった」と府警幹部。主治医でもない医師が死期が迫っていない女性を現金を受け取って殺害したとして、「安楽死か否かを問題とする事案ではない。まさしく嘱託殺人だ」と断言する。

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