熊本豪雨の被災地でLPガス店ゼロに タクシーに打撃

 7月の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県の人吉・球磨地域から、液化石油ガス(LPG)のスタンドが姿を消した。全国のタクシーは燃料の安さなどから主にLPG車を使用。車両の被災などに苦しむタクシー会社はガソリン車への買い替えも余儀なくされ、新たな打撃となっている。

 地域唯一のスタンドだった人吉市の販売店「人吉オートガスSS」は、球磨川の氾濫で浸水。運営する石油卸Misumi(鹿児島市)は復旧を目指したものの、8月31日に閉店した。業界関係者は「タクシーの需要も低迷し、高額な復旧費を出すのは難しいだろう」と説明する。

 県タクシー協会によると、同地域では8社が計約120台を運行している。ある会社は保有する7台全てがLPG車で、往復2時間かけて宮崎県えびの市のスタンドでガスを補充してきた。全車を買い替えざるを得ないという。

 21台を水没で失った人吉タクシー(人吉市)も、浸水を免れたLPG車4台を切り替える。池田光男社長(65)は「宮崎に通い続けられない。地域の足を守るための投資だ」と話す。

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