どこまで許される営業秘密の持ち出し 5Gの技術情報を自分宛メールに添付し「楽天モバイル」へ転職、ソフトバンク元社員逮捕

 通信大手「ソフトバンク」の第5世代(5G)移動通信システムなどに関する営業秘密を不正に持ち出したとして、警視庁は不正競争防止法違反(営業秘密領得)容疑で、同社から「楽天モバイル」に転職した45歳の男を逮捕した。営業秘密を不正に持ち出すのは言語道断だが、前職当時の名刺や取引先との関係など、どこまでなら許されるのか。

 捜査関係者によると、男は2019年12月31日、ソフトバンクが管理するサーバーに接続。営業秘密の5Gの技術情報などをメールに添付して自らに送り不正に持ち出した疑い。男は同日付でソフトバンクを退社し、翌日、ライバルの楽天モバイルに入社した。

 転職について、多様な働き方などを調査するツナグ働き方研究所の平賀充記所長は「憲法では職業選択の自由が保障されるので、競合他社に転職しても構わないのが原則だ」とする。

 ただ、もちろん制約もある。転職の際、前職で入手した名刺の管理について平賀氏は、「不正競争防止法に基づき、企業は営業上の情報を知的財産として管理している。この知財に名刺が含まれているか確認するべきだ」と助言する。

 前職で構築した取引先との関係についてはどうか。平賀氏は「個人の実力で信頼を勝ち得ていれば、取引先は転職先で関係を維持しようと動く。これは、取引先の判断なので企業に口出しはできない。一方、元の企業を誹謗(ひぼう)中傷したり内部情報を伝える代わりに関係を維持しようとすれば、前職の企業にも『損害を被った』と主張する余地が生まれる」と指摘する。

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