大学入試改革最終報告 学力評価テストの年複数回実施当面見送り 推薦に学力検査、採点は人工知能

 大学入試改革の制度設計を議論する文部科学省の専門家会議は25日、最終報告を取りまとめた。大学入試センター試験の後継として平成32年度開始予定の「大学入学希望者学力評価テスト」では、改革の目玉だった年複数回の実施を当面見送る一方、推薦入試では学力検査を課すことなどが盛り込まれた。導入までのスケジュールや実施方法、時期などの骨格は29年夏までに示す方針。

 評価テストでは一定幅ごとの段階評価やマークシート式に加え、国語と数学に記述式試験を導入する方針だ。ただ、記述式試験は採点の方法や態勢、日程確保など課題が多いため、実施日程や対象科目などの枠組みが最終報告に盛り込まれなかった。文科省が引き続き検討する。

 専門家会議では昨年3月から、知識偏重や「一発勝負」からの脱却を目指し、議論を続けてきた。複数回実施は大学入試改革の目玉だったが、学校行事への影響を懸念する高校側や試験会場となる大学側の反発があり、最終報告書では「複数回実施は引き続き検討する」と明記され、当面見送る方針とした。

 記述式問題の採点業務については、数十万人規模の受験生の答案を迅速に処理する必要があるため、人工知能(AI)を含む新たな技術開発を進める方針が盛り込まれた。

 一方、原則として学力検査が免除されている推薦入試について、一定の知識レベルを担保する必要があるとして、学力検査などを課すよう求めた。

 専門家会議の座長を務めた安西祐一郎・日本学術振興会理事長は「検討すべき技術的な課題はたくさんあるが、記述式を国のテストとして実施するのは大変大事なこと。最終報告でその方向に踏み出せた意義は大きい」と話した。

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