写本歌集発見 岡山藩初代・池田光政による鎌倉時代の和歌「隣女和歌集」

 岡山藩の初代藩主・池田光政によって書写された「隣女(りんじょ)和歌集」が見つかり、林原美術館(岡山市北区)が29日発表した。隣女和歌集は鎌倉時代中後期の歌人・飛鳥井雅有(あすかいまさあり)が詠んだ和歌をまとめた私家集(全4巻)で、原本は残っておらず、写本も確認された点数が極めて少ない。同館は「隣女和歌集について、書写した人物と年代が明確な最古の写本だ」としている。

 見つかったのは、光政と2代藩主・綱政が書写した同和歌集の1巻計3点。このうち、光政自筆の2点は江戸前期の寛文12(1672)年の6月と11月に書写されたことが記録され、雅有自筆の本を書写した旨も記されているという。

 同和歌集の原本は確認されておらず、写本でも4巻すべてがそろったものは2件しかないなど現存が確認された数は少ない。写本はいずれも書写された年代が江戸初中期~江戸後期とみられるものの、正確な時期は分かっていない。

 和歌文学に詳しい関西大学の田中登教授は「作者である雅有の自筆本を手本に、藩主だった光政が自筆している点が貴重で文化的価値が高い。王朝文化に興味を持っていたことが伺える」と話している。

 同館は、平成28年10月から同大と共同研究を進めており、そのひとつとして同館所蔵の歴代岡山藩主自筆の資料を調査していた。

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