首飾り付けた10代の人骨発見 群馬・渋川市の金井下新田遺跡

 群馬県埋蔵文化財調査事業団は、古墳時代の政治・祭祀(さいし)拠点とみられる遺構がある金井下新田遺跡(同県渋川市)で、首飾りをした人骨が見つかったと発表した。古墳以外で首飾りをした人骨が見つかるのは県内2例目で、全国的にも珍しいという。屋根の状態がよくわかる平地式建物や鍛冶遺構も見つかり、当時の人々の暮らしぶりを伝える“証拠”が次々と見つかっている。(久保まりな)

 人骨の年齢は10代と推定され身長や性別は不明。6世紀初頭(古墳時代後期)の榛名山の噴火に伴う火砕流で埋没した竪穴建物から見つかった。

 良好な状態ではないが、歯や上腕、大腿(だいたい)部とみられる骨が残っており、人骨の首付近からは勾玉(まがたま)や管玉(くだたま)で構成される首飾りが発掘された。首飾りはカーブを描き地中に埋まり、出土位置やその状態から「首にかけた状態にあったと考えられる」(同事業団)という。

 首飾りを付けた人骨は、隣接する金井東裏遺跡からも出土しており、今回で県内2例目。勾玉を含んだものは初めてという。

 金井東裏遺跡ではこれまでに、甲(よろい)を着けた成人男性や乳児ら人骨4体が見つかっており、県立歴史博物館の右島和夫館長は「両遺跡の人たちは同一集団の可能性がある」と分析。勾玉の首飾りについては、「祭祀など特別に使われていたもの。祭祀に関わる人だったり、高貴な人だったと考えられる」と話している。

 そのほか金井下新田遺跡からは、地面を掘らずに地上に建築する「平地式建物」や、炉などが残る平地式の6世紀初頭の鍛冶遺構も見つかった。

 平地式建物は、火砕流で倒壊し、屋根など上部が炭化した状態で発見され、屋根を支える垂木や桁の形などが残っていた。同事業団によると、竪穴建物のように地面を掘らないため、発掘調査で見つかることが少なく、今回の出土は全国初とみられるという。

 鍛冶遺構は別の平地式建物内から見つかったが、製作された鉄製品は発見されなかった。

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