大腸菌が録画装置に変身 DNAに動画を記録、再生に成功!

 【びっくりサイエンス】

 「あの動画のデータ、どこにあったっけ?」「試験管の中で培養している大腸菌に保存してあるよ」。未来の世界ではこんな会話が普通に交わされ、デジタルデータの保存媒体はハードディスクやフラッシュメモリーから微生物に置き換わっているかもしれない。

 動画データを人工DNAに書き換え

 米ハーバード大などのチームは7月、生きた大腸菌のDNAに動画データを記録し、再生することに成功したと英科学誌「ネイチャー」に発表した。生物の遺伝情報の本体であるDNAを自在に改変できるゲノム編集技術を応用した成果だ。

 DNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の塩基と呼ばれる物質が長く連なってできている。塩基は文字に相当し、複数の組み合わせ配列で遺伝情報を表す。同大のセス・シップマン研究員は、馬が人を乗せて走る様子を映した5コマからなる数秒の白黒動画のデジタルデータを、人工DNAに書き換えた。

 動画の各コマは縦26、横36の計936のマス目からなり、これらを濃淡の異なる白黒の21色で塗り分けて全体の画像を表現している。マス目の一つ一つが画像を構成する色の最小単位(ピクセル)だ。

 コンピューターをはじめとした情報機器で使われる動画のデジタルデータは、「どのコマのどこのピクセルはどんな色だ」という情報を、0と1の2種類の値からなる電子的な信号の組み合わせで表し、ひとまとめに保存している。

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