第29回世界文化賞・受賞者の素顔(4)〈音楽部門〉ユッスー・ンドゥール “現代のグリオ” 社会に訴え

 高松宮殿下記念世界文化賞の第29回受賞者が発表された。それぞれの分野で芸術表現を追求し、文化の発展に貢献してきた5部門の受賞者たちの経歴と業績を紹介する。=敬称略

 Youssou N’Dour

 1959年10月1日

 セネガル・ダカール生まれ

 躍動感と緊張感のある独特の音楽が印象的だ。やや鼻にかかった伸びやかな高音、力強くソウルフルな歌声は、多くの人を引きつけてやまない。

 セネガルに古くから伝わる音楽や思想を伝承するグリオ(語り部)の家系に生まれた。12歳から音楽活動を始め、国民的な人気歌手に。西アフリカ固有のリズム「ンバラ」をモダンにアレンジし、伝統音楽にさまざまな民族音楽や欧米ポップ・ミュージックのエッセンスを取り入れ、1980~90年代の「ワールド・ミュージック」ブームを牽引(けんいん)した。

 ピーター・ガブリエルやポール・サイモンらが参加したアルバム「ネルソン・マンデーラ」で世界的アーティストとしての地位を築いた。2004年発表のアルバム「エジプト」でグラミー賞を受賞。これが「最も心に残るアルバム」だという。ジャズやブルースなど黒人音楽のルーツをたどる旅に出るドキュメンタリー映画「ユッスー・ンドゥール 魂の帰郷」は大きな反響を呼んだ。07年、米タイム誌の「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれた。

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