雪舟作、80余年行方不明だった「倣夏珪山水図」を発見

 室町時代の水墨画家、雪舟(1420~1506年?)が描き、80年余り所在不明になっていた作品「倣夏珪(ほうかけい)山水図」が見つかったと、山口県立美術館が19日、東京都内で発表した。明治学院大の山下裕二教授は「雪舟の代表作への道筋を示した重要な作品」と話している。

 見つかったのは、軸装された約30センチ四方の団扇(うちわ)形の水墨画。藍や緑で彩色を施し、手前にゴツゴツとした大きな岩、遠くには山が描かれている。雪舟が中国の名画家に倣って描いた「団扇形倣古図(ほうこず)」シリーズの1点。南宋時代の山水画家、夏珪のスタイルを取り込んでおり、夏珪と雪舟のサインがある。

 同館によると、この作品は昭和8年、西日本鉄道の前身、九州電気軌道が売り立て(競売)に出した際の目録に掲載された後、行方が分からなくなっていた。今年2月、東京の企画会社から同館に情報が伝わり、山下教授らが真筆と確認した。雪舟の代表作として知られる国宝「四季山水図(山水長巻)」より前に描かれたとみられている。

 同シリーズは12点の存在が判明しているが、現在確認されているのは6点。いずれも重要文化財に指定されている。今回見つかった作品は10月31日から同館で公開される。

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