蚊は外してもいいからよく狙え…攻撃した人を匂いで覚える

 ■効果は虫除けスプレーに匹敵

 蚊が忌避する成分として、第二次世界大戦末期に米国農務省の研究者が開発した化学物質のディートが70年以上にわたって使われている。しかし最近では、ディートが効かない蚊が現れているという報告もあり、同じ薬剤を使い続けることによる耐性獲得が懸念される。

 ワシントン大の研究チームの実験で、強く学習効果に関係する成分は、ニワトリが持たず、哺乳類の頭部で多く分泌される「オクテノール」だった。この成分で学習させたところ、24時間後の忌避反応は、40%濃度のディートに匹敵した。既存の虫除け剤に代わる、新たな忌避剤開発が期待される。

 ただ、匂いは濃ければ濃いほど、記憶が強くなるというわけではなかった。また、ネッタイシマカ以外の蚊が匂いに対して同様の記憶力を持つかどうかは今のところ不明だという。

 ■犬のように芸も

 昆虫の脳は非常に小さいが、より高等な動物と同様に、生存において記憶を活用していることはよく知られている。

 理化学研究所のチームは昨年9月、羽ばたきに応じて見える景色が変化する昆虫用のバーチャルリアリティー(VR)装置を作成して、キイロショウジョウバエの脳の活動を観測し、ハエが実際にみている景色だけでなく数秒前に見た景色の記憶を使って飛ぶ方向を決めていることを見つけ、科学誌に論文が掲載されている。

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