電車が去った後に残るのは、沢のせせらぎだけ…浅草直通で行ける秘境駅 野岩鉄道男鹿高原駅

 「何もない」-。電車を降りてホームから階段を上ると、駅の出口だった。無人駅で改札もない。駅の前は細い砂利道があるだけ。すぐ目の前は山の斜面で、木々が並ぶ国有林。見える範囲には民家も店舗も1軒もない。

 野岩(やがん)鉄道会津鬼怒川線男鹿(おじか)高原駅(栃木県日光市横川)。同社は「山に囲まれた何もない秘境駅」だといい、電車が行ってしまえば、聞こえる音は下を流れる越路(こしじ)沢のせせらぎだけ。春になれば、鳥のさえずりが聞こえるのだろうか。北へ向かう線路はすぐにトンネルに入る。この山王トンネルの中程が福島県境だ。

 駅出口の左は山奥へ続く林道。右側は駅前まで道が舗装され、同鉄道の男鹿高原変電所と男鹿高原駅前広場緊急ヘリポートがある。周辺は雪解けが進んでいるが、ヘリポートは真っ白だ。そしてこの道は数百メートル行くと、国道121号(会津西街道)に出る。だから、秘境といっても道なき道を行かないとたどり着けないという場所ではない。近くの集落も車で数分の距離だという。

 男鹿高原駅には、東京・浅草から乗り換えなしで行ける直通列車もある。東武鉄道日光線、鬼怒川線などを経由して乗り入れる特急リバティの一部や早朝の普通電車で、東武鉄道浅草駅からの所要時間は、現行ダイヤで2時間44分~3時間41分。

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