さらなる鉄道のバリアフリー化、整備費用の一部を利用者負担検討は是か非か?

■秋山哲男氏 受益者多く運賃上乗せ可

 --鉄道バリアフリー化の現状はどうなのか

 「平成12年に交通バリアフリー法が施行された結果、東京など大都市の駅の8~9割で障害者の移動に支障がないある程度の整備が果たされた。特に、1日平均利用者数3千人以上の駅では、原則バリアフリー化が掲げられた。できるだけ早く整備するため、インセンティブとして補助制度があった。その結果、3千人を下回るような駅では整備がなかなか進まなかったため、今後のバリアフリー化が懸念されている」

 --検討会のテーマとなった複数ルートの段差解消など、さらなるバリアフリー化はなぜ必要か

 「現状のバリアフリールートを利用すると、一般の人が使うルートよりも、余計に時間がかかってしまう。障害者であっても一般の人と同じような時間、同じようなルートで移動できるようにすべきだ」

 --整備費の利用者負担は理解が得られるのか

 「バリアフリー設備といっても受益者は幅広い。例えばエレベーターなら、車いすの人だけでなく、ベビーカーやカートを使う人も利用する。今後整備が進むのがホームドアだが、これは酔客の転落防止も含めた幅広い対策に有効だ。最近は、経済学でも利他的行動が注目されているが、国土交通省の調査でも、自分の将来の利用や他人のためにバリアフリー設備の費用負担をしてもいいという意思が確認されている。経営状態の良い、大都市を走る路線を持つ鉄道会社なら、運賃の上乗せも可能なはずだ。実際に、京王電鉄は相模原線の新路線建設費を賄うために加算運賃を設定してきたが、費用の回収が進んだことから、今春値下げをしている」

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