漫画「戦争めし」 食糧難下の知恵と工夫、伝える「食の力」 この夏ドラマ化も

 命の危険が迫る中でも人は飯をこしらえ、大切な人に届ける…。先の大戦中の「食」にまつわる人情を描いた漫画「戦争めし」(秋田書店)が共感を広げている。3年前から毎年発行を重ね、第4巻目の今夏は壇蜜さんらが出演するドラマ化が実現(NHKBSプレミアム、11日午後10時半放映)。乏しい食材をおいしくさせる知恵と工夫、口にした喜びのシーンから浮かび上がるのは、料理は愛であり、食べることは生きること。食の力に気付かせてくれるシリーズだ。(重松明子、写真も)

 作者は漫画家、魚乃目三太さん(43)。戦争体験者への取材、残された文集や手紙などをベースに漫画を描いた。1話完結で主人公はすべて庶民。前線の兵士から銃後の母子まで、喜怒哀楽のストーリーが収録されている。

 出征する息子に好物のぜんざいを食べさせたいと奔走する母親に、女の子が小豆入りのお手玉を差し出す「出征前夜の善哉(ぜんざい)」は、自身の祖母の体験が下敷きになった。

 「身近な人からポンと貴重な話が出てくる。戦場の話も普通の若者やおじさんが運命に翻弄されながらも懸命に生きた姿を描いたつもり」。ほのぼのとしたやさしいタッチも印象的だ。「悲しいことの多かった戦時中であっても、食から小さな幸せが生まれていたことを伝えたい」

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