微小物質使い難病腸炎改善 阪大がマウスで、新薬に道

 慢性の炎症や潰瘍により下痢、腹痛に悩まされる炎症性腸疾患(IBD)を、マイクロRNAという微小物質を投与して改善することにマウスを使った実験で成功したと、大阪大の山本浩文教授(消化器外科学)のチームが10日、発表した。新薬開発につながる可能性があるという。

 IBDの代表的な疾患は、いずれも難病指定されているクローン病と潰瘍性大腸炎で、詳細な原因や発症メカニズムは分かっていない。

 マイクロRNAは細胞内から分泌され、さまざまな生体機能を調節している。多くの種類があり、チームは炎症の原因物質の生成を抑制できるものを、炎症を引き起こす司令塔役の免疫細胞内に入れようと考えた。

 血中で分解されてしまうため、カルシウムや炭酸などで覆ったマイクロRNAを入れて標的細胞に送り届けるスーパーアパタイトという手法を利用。IBDのマウスの静脈などに注射して全身投与した結果、炎症を引き起こす物質の生成を抑えられたという。

 チームは「スーパーアパタイトは薬剤を効率良く標的に届けられ、がんや炎症性アレルギー疾患への応用や低コスト化も期待できる」としており、6年以内の実用化を目指す。成果は米科学誌電子版に掲載された。

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