「上を向いて歩こう」に涙…豪雨の真備町、歌声喫茶3カ月ぶり再開

 西日本豪雨で甚大な被害があった岡山県倉敷市真備町地区で16日、住民らが毎月合唱する「歌声喫茶」の活動が約3カ月ぶりに再開した。豪雨で中断していたが「真備を元気に」との思いで催され、参加者は復興を願いながら声を響かせた。

 真備町地区の真備公民館岡田分館。壁には浸水の跡がまだ生々しく残る中、地区の住民ら約140人は手拍子を交えながら「上を向いて歩こう」や「故郷」といった歌謡曲や童謡約20曲を合唱した。中には感極まって涙を流す人もいた。

 真備町辻田の自宅が全壊して岡山市のみなし仮設に住む和田美恵子さん(69)はこれまでほぼ毎月参加していたといい「久しぶりに仲間にも会えて交流できたし、本当に楽しかった」と笑顔で話した。

 歌声喫茶は真備町岡田地区のシニア倶楽部が実行委員会を立ち上げ、平成27年6月から活動を始めた。だが、豪雨で会場や機材が浸水。実行委員長を務める前田光男さん(74)も含め、真備町地区では多数の住宅が全半壊し、「とてもまた活動できる状況ではなかった」と振り返る。 ただ、再開を望む声が多く寄せられたため再開を決意。委員会のメンバーらで泥かきをしたり、個人所有の楽器を持ち込んだりして早期再開にこぎ着けた。前田さんは「つらいときだからこそ、歌でみんなを元気にして、明るい真備を取り戻していきたい」と前を見据える。次回は12月に開く予定だ。

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