急増する保育所 職員の若年化で起きる深刻な問題とは

保育所全体が若年化している(写真/アフロ)

保育所全体が若年化している(写真/アフロ)

 待機児童問題が長引くなか、行政や企業は、待機児童の受け皿となる保育所を増やし続けている。それが問題解決の一助となるのは確かだが、「質が置き去りにされている」という新たな問題も生まれている。保育所問題に詳しい保活アドバイザーの長岡美恵さんは、その理由をこう話す。

 「新設園では、新たに保育士等の職員の確保が必要になります。通常なら、系列園から園長や中堅職員を異動させ、理念や質の統一に努めるのですが、急拡大している事業者ではそれが追いつかず、園長をはじめ職員全体が若年化しています」(長岡さん、以下「」内同)

 なかでも厳しいのは都市部の保育所だという。

 「必要な職員の確保が開設直前までかかることも多く、人材の質をどこまで見極められているのか気になります。そしてようやく集まっても、短期間で辞めてしまう職員も多く、人も園も育ちにくいのが現状です」

 今は売り手市場のため、よりよい労働環境を求めて次々と転園していく保育士が後を絶たないのだ。

 職員の若年化や人材流出で、職員体制がなかなか安定しないと、どんな問題が起きるのか。

 「子供は大人がまさかと思うことをするもの。職員には、注意力と同時に事故の一歩手前の“ヒヤリハット”経験が問われますが、経験の少ない職員ではその“まさか”を予知する力がベテランより劣ります。新人・若手が多いクラスでは人を多めに配置するなどの配慮をしなければ、思わぬ死角が増え、事故のリスクが高まるのです」

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