ノーベル賞・本庶佑さんの肩書「特別教授」は京大に4人だけ

 京都大在籍者として6年ぶりにノーベル医学・生理学賞に選ばれた本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)。65歳の退官後に贈られる「名誉教授」とは異なり、「特別教授」は定年後も京大に在籍し、研究をリードする役割を求められる。実は特別教授は京大にたった4人しかおらず、その存在は、若手の励み、憧れにもなっている。(宇山友明)

 特別教授4人を除いた京大全体の名誉教授は1251人(10月22日現在)で、特別教授の割合はわずか0・3%。ほんの一握りだ。

 京大が特別教授の肩書を設けたのは平成28年。最先端の研究を持続的に展開することを目指す組織「京都大学高等研究院」の発足に合わせて導入した。

 ほかの3人は「数学のノーベル賞」と呼ばれるフィールズ賞を2年に受賞した同研究院の森重文院長(67)▽チンパンジーの認知能力研究の第一人者として知られる松沢哲郎副院長(68)▽高分子材料「多孔性金属錯体」を開発しノーベル賞候補となっている北川進・京大物質-細胞統合システム拠点長(67)。世界的に注目される研究者ばかりだ。

 特別教授に任命されるには「国際的に極めて顕著な功績などがあり、京大の研究教育の発展に貢献すると認められる者」との基準を満たす必要がある。具体的な選考手続きは非公開だが、報酬は年俸制で月額30~220万円の範囲と決められている。

 京大のある男性教員(43)は「優秀な教授が定年を迎えても退職せずに研究をリードし続けることで、研究が長く継続される利点がある」と評価する。

 名称は異なるが、特別な教授は他の大学にもいる。東京大は28年、ノーベル賞や文化勲章などを受けた研究者を対象に「卓越教授」という称号を新設。2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章・東大宇宙線研究所長(59)と日本学士院賞・恩賜賞などを受賞した十倉好紀教授(64)が任命されている。

 75歳までの雇用が特例で認められており、東大は「こうした制度が若手研究者の励みになり、研究者としての人生の魅力を高めるための一助となることを期待する」としている。

 大阪大も平成29年に「栄誉教授」を設け、これまでに26人が付与されている。

 京大の男性准教授(40)は「どの大学でも、特別教授のような制度と同時に若手研究者のポストや活躍の場が確保されていることがベスト。その仕組みができていれば国内の基礎研究の発展に必ずつながる」と話している。

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