朝鮮学校補助金が1割超減、6年前の半分以下 無償化訴訟敗訴で見直し拍車か

 全国に66校(うち5校休校)ある朝鮮学校に、各地の自治体が支出した平成29年度の補助金総額は計2億5906万円で、前年度に比べ1割以上減少したことが5日、文部科学省の内部資料で分かった。22年に導入された高校授業料無償化の適用可否をめぐる議論を受け、補助金支出を見直す自治体が相次ぎ、計5億3678万円だった23年度の半分以下となった。朝鮮学校への無償化適用を求める訴訟で学校側の敗訴が続いており、支出の見直しの動きに拍車がかかりそうだ。

 内部資料によると、28年度には14道府県と107市区町が管内の朝鮮学校に補助金を支出していたが、29年度は13道府県と97市区町に減少。支出総額も、28年度の計2億9436万円から3530万円の減少となった。このうち群馬県は支出を止めた理由について、「(29年度以降は)拉致問題を教科書に記述するなどの条件を付けていたが、クリアされなかった」などとしている。

 朝鮮学校は学校教育法で「学校」と認定されておらず、都道府県が「各種学校」として認可し、独自に補助金を支出してきた。拉致被害者の支援組織「救う会」の集計では、21年度は総額計8億円を超えていたことが判明している。

 だが、高校無償化を適用するかどうかが議論になり22年度以降、当時の石原慎太郎東京都知事と橋下徹大阪府知事が支出停止に踏み切ったうえ、25年に国が無償化の対象外としたことから、補助金支出を見直す自治体が相次いだ。

 支出が問題とされた理由の一つは、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)による「不当な支配」だ。無償化の対象外としたのは違法だとして、朝鮮学校側が全国5地裁・支部で起こした訴訟でも、9月の大阪高裁判決に続き10月の東京高裁で国側が勝訴し、教育基本法が禁じる「不当な支配」の疑いを認める判断が定着してきた。

 一方、朝鮮学校の支援団体は今月2日、無償化適用を求める署名約5500人分を政府に提出。「高校無償化からの排除によって一部自治体まで補助金を打ち切り、初級・中級学校にも財政的圧迫を加えている」などと国や自治体の対応を批判している。

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