台風被害が紅葉狩りに影響 通行止めで関係者は悲鳴

 本格的な紅葉シーズンを迎える中、9月に西日本を襲った台風21号により、関西各地のハイキングコースで倒木が相次ぎ、通行止めになるなどの影響が出ている。葛城山や生駒山といった人気コースでも被害があり、大阪府は危険な場所について山歩きの自粛を呼びかけている。倒木の撤去作業が進められているが、山中の土地所有者がはっきりしないなどの理由で復旧のめども立たないままだ。

 「これほど被害が広範囲にわたり、深刻なのは記憶にない。来訪者は3~4割は減ったし、できるだけ早期に復旧してほしいが」

 例年なら多くのハイカーでにぎわう大阪府箕面(みのお)市の「明治の森箕面国定公園」。ここで箕面ビジターセンターを運営するNPO法人「みのお山麓保全委員会」の高島文明事務局長(67)は影響の大きさについてこう語った。

 センターは東京・高尾山まで続く「東海自然歩道」の起点。大阪市内からも日帰りで自然散策や山中の寺院訪問が楽しめることから人気が高い。

 9月4日に西日本を縦断した台風21号の影響で、自然歩道沿いに植林されたスギやヒノキが次々となぎ倒された。このため大阪府は近隣の寺に「倒木多数。通行はお控えください」との張り紙をしたり、歩道に立ち入り禁止のテープを貼ったりして通行規制に乗り出している。高島事務局長は「1年で一番にぎわう季節に頭が痛い」とこぼす。

 大阪府みどり推進室によると、大阪近郊では7月の西日本豪雨や台風21号の影響でハイキングコースとして有名な金剛山など計8カ所の登山道で、倒木や土砂崩れの被害が出た。

 大阪府と奈良県との境に位置する葛城(かつらぎ)山に、10月上旬に登った40代の男性会社員は「以前はあった橋そのものが流失し、大きい岩や倒木であちこちがふさがれていた」と話す。

 府は各地に職員を派遣。倒木をのこぎりで切るなどして復旧を進めているが、山深く険しい場所もあり、出先機関の担当者は「手作業が中心なので時間がかかりそうだ」と説明する。

 さらに早期復旧を難しくしているのが、地権者との調整だ。倒木撤去には承諾を得る必要があるが、境界線が入り組み、権利関係の把握に時間がかかる。

 金剛山の入口付近は、被災後比較的早く登山道の復旧にこぎ着けた。所管する千早赤阪村の担当者は「倒木被害は初めてではないので、普段から土地の所有者を把握している。今回も連絡を取って復旧作業をした」と語るが、山中のコースはなお倒木などで通行に支障がある場所も少なくないという。

 日本山岳・スポーツクライミング協会の尾形好雄専務理事は「山のルールで廃道や危険な場所につながる道は、横倒しにした木でふさいで目印にしていることがある。倒木と区別が付かない恐れもあり注意が必要だ。安易な判断でコースを迂回すると、足場が悪くけがにつながる心配もあるので、規制の指示には従ったほうがいい」と話す。

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