進むVRと福祉の融合 映像で味わう「疑似旅行」

 VR(Virtual Reality、仮想現実)を駆使し、「80億人の来場」をうたう2025年の国際博覧会(万博)開催まであと7年。ゴーグルを装着し、コンピューターによって作られた仮想世界を現実のように体感するこの技術と、福祉の「接点」を探る研究が進められている。各地で収録した動画を体感する「疑似旅行」が、外出困難な高齢者の心身にどのような影響を与えるかを調べるというものだ。研究の一端に触れると、高齢者を取り巻く新たな未来が見えた。(細田裕也)

「屋久杉」に涙

 「これは何じゃ?」。今月12日午後、広島県廿日市市の介護老人保健施設「ふれあいライフ原」。東京大先端科学技術研究センター職員の登嶋健太さん(32)からゴーグルを受け取ったお年寄り11人は、けげんそうな表情を浮かべ、慎重にゴーグルを装着した。「真っ暗じゃ」「何も見えん」。戸惑いを見せた直後だった。

 「見えた!」。ゴーグルの中に現れたのは、施設から約470キロ離れた屋久島(鹿児島県)の光景。「足下を見てください」「上はどうなっていますか」。登嶋さんが問いかける。

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