化学テロ想定 消防隊員らによる解毒剤注射を検討へ 厚労省

 2020年東京五輪・パラリンピックで、サリン散布などの化学テロが発生した場合に備え、厚生労働省は15日、負傷者に対し、消防隊員らが注射器を使った解毒剤投与を行えるよう検討する方針を明らかにした。現行では医療行為に当たる注射は医師や医師の指示下にある看護師しか行えない。年内にも専門家による会議を設置し、緊急時の対応の在り方を検討する。

 大会期間中は国内外から旅行客らが押し寄せ、会場のほか、地下鉄や観光地など警備が手薄な「ソフトターゲット」が化学テロの標的になる懸念がある。

 この日開かれた医療関係者らを集めた会議で、厚労省の研究班は化学テロへの対応として、「多数の傷病者を救命する観点から、効率的で現実的な対応の在り方の再考が必要だ」などと指摘した。

 発生直後の原因物質が推定できていない段階では、現場直近の「ホットゾーン」と呼ばれる危険区域で活動できるのは、厳重な防護服を装着した消防隊員らに限られる。「搬送後に解毒剤を投与するのでは時間がかかりすぎ、重症者を救命することはできない」などの意見があった。

 厚労省は今後、ホットゾーン内で、医師以外の消防隊員や自衛隊員らが自動注射器を用いて負傷者に解毒剤の投与を可能とすることを検討。搬送時の二次被害を防ぐため、消防隊員らが原因物質を迅速に取り除く手段などを模索する意向も示している。

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