定着する計画運休、検証必要 周知遅れや復旧タイミング

 台風15号接近を受け、あらかじめ鉄道の運行中止を取り決める「計画運休」が実施された。近年、悪天候による災害で列車の立ち往生や鉄道設備への損害などを防ごうと実施が増えた計画運休。識者らは、社会への定着と、周知のタイミングなど検証の必要性を訴える。

 国土交通省が今年まとめた指針では48時間前に「運休の可能性」、24時間前に詳しい運転計画を明らかにするのが望ましいとする。お盆休みのUターンラッシュの8月に山陽新幹線で実施された計画運休で、JR西日本は実施2日前に運転見合わせの可能性を公表。モデルケース通りの展開となった。

 一方で今回、JR東日本が可能性があると公表したのは8日正午。昨年、首都圏で実施された計画運休でも、JR東よる周知が遅れ、乗客が事情を知らないまま駅に来て、混乱も起きた。JR東は「気象予報の精度から現状では対応が難しい」とする。

 さらに、運転再開の見通しも事前に利用客に伝えられたが、倒木や点検などで各社とも運転再開が想定以上に遅れ、朝の通勤ラッシュで混乱も起きた。

 鉄道評論家の川島令三氏は「災害で止まった列車に乗客が閉じ込められるようなことはなくなった」と評価しつつ、「運休の要否を含め、判断を精査するべきだ。実施の可能性も含めた周知も遅い。復旧のタイミングも各社バラバラで、1カ所に混雑が集中しており、さらに検討が必要だ」と指摘する。

 鉄道メカニズムに詳しい工学院大の高木亮教授は計画運休も、社会に定着しつつあるとした上で「都市機能を止める重大な判断が民間の鉄道会社に委ねられている。実施については記録を公開し、判断への評価・検証を重ねていく必要性があるだろう」と強調した。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ