「魔女の宅急便」角野さんの児童文学館、東京・江戸川区と基本構想

 児童文学「魔女の宅急便」などで知られ、東京都江戸川区にゆかりのある国際アンデルセン賞作家、角野栄子さん(84)の作品に触れられる児童文学館が設立されることになり、角野さんと斉藤猛同区長が11日、令和4年度の開館に向けた基本構想を発表した。角野さんがプロデュースに携わり、作品の誕生秘話や関連企画展、映画会の開催などが検討されている。記者会見した角野さんは「子供たちがわくわくするような場にしたい」と笑顔で語った。

 角野さんは3歳から23歳まで、同区北小岩で暮らした。昭和34年に夫と自費移民としてブラジルに滞在し、45年、2年間の滞在体験を基にしたノンフィクション「ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて」で作家デビュー。代表作は「魔女の宅急便」「トンネルの森1945」などで、57年に産経児童出版文化賞大賞を受賞し、昨年には児童文学のノーベル賞と称される国際アンデルセン賞の作家賞に選ばれた。

 「江戸川区角野栄子児童文学館」(仮称)は、旧江戸川が望める丘や、春に55種1万株が咲き誇るというツツジ山、馬と触れ合える「なぎさポニーランド」など自然豊かな「なぎさ公園(同区南葛西)」内に設置される。

 基本構想では、館内に角野さんの作品や功績に関する資料を展示。デジタルコンテンツを活用して作品の世界観を表現したり、仕事場を模した部屋に子供たちが自由に出入りして話を創作したりといった内容が検討されている。子供たちが国内外の児童文学作品に触れられる空間や広場なども設ける予定だ。

 角野さんは「子供の頃の遊び場の半分以上は江戸川の土手で、私の作品のベースになっている。戦時中で食べ物もなく、親と離れて暮らす経験をしたが、その時に本が心の慰めになった。この児童文学館も、子供たちが本や物語の持つ力を自由に感じられる場になればいい」と話した。

 斉藤区長は「区内の子供たちの豊かな想像力を育むだけでなく、全国の子供たちに発信できる場になれれば」と期待を語った。

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