リアルな段ボールSLが評判 知られざる出石鉄道の歴史

■模型製作に住民も参加

 製作も苦労の連続だった。機関車は設計図がなく、京都府北部の旧加悦(かや)鉄道(60年に全線廃止)の機関車が「兄弟車」と知った支部のメンバーらは、保存されている現地に何度も出向いて採寸し、復元の資料とした。

 さらに、段ボール工芸作家の島英雄さんの指導を受け、昨年12月にまず4分の1サイズの機関車を段ボールで製作。構造や作業手順などを理解し、今年1月から住民やOB会員らの協力も得て約100のパーツを図面化し、段ボールの強度を出すためパーツを何枚も重ねて製作した。

■元運転士も感激

 同市の出石庁舎前広場で9月1日にお披露目式があり、住民ら約300人が完成を祝った。観光客らも「リアルで、今にも動き出しそう」と出来栄えに驚いていた。

 式には地元に住む出石鉄道の元運転士、秋山雅美さん(93)が招待され、機関車と75年ぶりの再会に感無量の様子だった。秋山さんは15年から運転士を務め、19年のレール撤去では機関車でレールを運ぶ最後の運転も担当。「レールが悪く、脱線しないよう時速30キロで走るのがやっとだった」と当時を振り返った。

 また、18年8月に出石駅構内の機関庫火災では、「夜間なのに大勢の住民が駆けつけ、機関庫から機関車を綱引きのロープで引っ張り出そうとした。結局、別の機関車を使って無事、外に出したが、住民はバンザイを三唱して喜んでいた」と懐かしんだ。このエピソードに、川原さんは「当時の住民の思いは熱かった。段ボール模型を通じて、郷土への誇りを100年先に伝えたい」と話した。

 機関車模型は29日まで、出石振興局市民ホールで展示されている。問い合わせは同支部(0796・52・2113)。

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