台風15号で水上メガソーラーが破損、発火 住宅用太陽光パネルも「危ない10万棟」

 台風15号の影響により、千葉県市原市の山倉ダムで水上に浮かぶ太陽光発電用のパネルが大きく破損し、発火する被害が出た。再生可能エネルギーとして太陽光パネルの普及が進み、住宅の屋根に設置されているのも珍しくなくなったが、火災の恐れがある住宅が全国で「10万7000棟」にのぼるとされ、専門家は「定期的な保守管理が必要だ」と警鐘を鳴らす。

 出火したのは、「千葉・山倉水上メガソーラー発電所」のパネル。工業用水用のダム水面に約5万枚を設置し、水上設置型として日本最大級とされる。出火原因は調査中で、台風後は送電を止めているが、パネルに日光が当たると自動発電するため、再び火災が起きる恐れがあるとして警戒を続けるという。

 住宅用の太陽光パネルでも台風などで事故につながる恐れがあると指摘するのは、産業技術総合研究所太陽光発電研究センター・システムチーム研究チーム長の大関崇氏だ。

 「強風による飛来物に当たって太陽電池パネルが割れたり、ひっくり返って配線が切れたり、ショートしたりというリスクがある。太陽電池パネルや架台(パネルをのせる台)など構造物が飛散して車や建物に当たったり、発電した電気が集まる接続箱が水没、水素が発生して破損したケースもある」という。

 一部の住宅用の太陽光発電をめぐっては、自然災害以外にも火災の危険性があるという。

 消費者庁の消費者安全調査委員会が1月に出した報告書によると、2008年3月から17年11月の間、住宅用太陽光パネルから発生した火災、発火、発煙、過熱などの事例は127件にのぼる。

 大関氏は、「メーカーや型式にもよるが、劣化などで部分的に高熱になり太陽電池から発火したり、ケーブルなどが漏電に近い形で発火するケースがある。延焼しやすい構造の場合、屋根裏の下まで燃えた事例もあり、家の火災に広がる恐れもある」と語る。

 報告書でも、太陽光モジュールと屋根の下地となる木材「野地板」の間に鋼板などの不燃材料が設置されていなかった場合、延焼する危険性があるとしている。

 そして住宅用太陽光発電システムの累積設置棟数全体(約237万棟)のうち、鋼板などが設置されていないのは約4・5%、実に約10万7000棟にも及ぶと警告している。

 前出の大関氏は「きちんと設計、施工されているかがまずは重要で、その上で保守点検することが重要だ。今回の台風のような災害の後には、特に注意して見ておくべきだろう」と話した。

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