創作姿勢高く評価 世界文化賞5部門の受賞理由

 世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第31回受賞者が発表されたことを受け、日本美術協会は17日、各部門の受賞理由を明らかにした。詳細は以下の通り。

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 ■ウィリアム・ケントリッジ氏(絵画部門)

 素描をコマ撮りした「動くドローイング」で独自の世界を切り開き、インスタレーションや彫刻、さらにそれらを総合化して演劇やオペラなどにも発展させた。植民地主義などに反対し、その病理に迫ろうとする知的探求と創作姿勢は高く評価される。

 ■モナ・ハトゥム氏(彫刻部門)

 自身の存在の危機的状況を根底に置き、疎外された人間の苦しみや、政治的な抑圧、ジェンダーの問題など社会的矛盾をテーマに、先鋭な、時に危険とも思える問題意識を穏やかな感性で包み込む表現力は卓越しており、その想像力と芸術的完成度は注目に値する。

 ■トッド・ウィリアムズ氏&ビリー・ツィン氏(建築部門)

 研究所、博物館、学校など営利目的でない建物の設計を多く手掛け、そのプロセスを「歩き方を覚える赤ん坊」と表現するように、時間をかけて素材、形態を緻密に分析する。“手作り感”のあるデザインで穏やかな空間を作り出している点が評価される。

 ■アンネ=ゾフィー・ムター氏(音楽部門)

 グラミー賞を4回受賞し、多彩な音色、完璧な技巧、卓越した表現力、豊かな音楽性の全てを兼ね備えた演奏、特に現代音楽に対する理解の広さで定評がある。最近の活動はますます充実しており、後進の育成への尽力と慈善活動も高く評価される。

 ■坂東玉三郎氏(演劇・映像部門)

 姿形の圧倒的な美しさ、的確な演技と独自の美意識、芸容の大きさで歌舞伎界を背負って立つ立女形(たておやま)として活躍し、舞踊家としても独自の美の世界を創造。歌舞伎の枠を超えて演出家、映画監督もこなすなど、類いまれなクリエーターとして高く評価される。

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