最古の石製笠塔婆を展示公開 京産大むすびわざ館

 かつての平安京の墓地とされた鳥部野(とりべの)の一角=京都市東山区=から出土した上流貴族の墳墓跡の前に、供養のために建てられていたとみられる凝灰岩(ぎょうかいがん)製の笠塔婆(かさとうば)が、京都市下京区の京都産業大学むすびわざ館で展示されている。11世紀前半ごろの、石製としては最も古い形式とみられ、墳墓研究の重要な史料になるという。

 石塔婆は、民間調査会社「文化財サービス」が六波羅政庁跡などを調査したところ、調査区の西北角で幅1・3メートルの周溝を持つ、推定一辺9・2メートルの大規模な墳丘を持つ方形区画墓周辺から出土した。

 墓前に立っていたとみられ、墓の表札や供養塔のような性格を持つ。最初は木製だったが、長持ちしないために11世紀中ごろから石製に変わっていくといい、今回の出土品はその端境期にあたるもの。

 笠、軸、土台の3パーツにわかれ、六角形の笠部分は最大幅31・7センチ、高さ19・8センチ、軸部にはお経を入れたとみられる、くぼんだ部分がある。木製の笠塔婆でみられた特徴で、石製にかわってからみられなくなるという。

 この笠塔婆を持つ墓を中心に、周囲には一族の墓が規則正しく並んでいたらしいが、その百年後には葬送の地も平清盛らによる開発で武家屋敷へと変貌を遂げていく。

 会場では笠塔婆以外にも同じ調査地から出土した遺物を21日まで展示。その後は京都市考古資料館=京都市上京区=に会場を変えて11月4日まで公開する。いずれも入場無料。問い合わせは文化財サービス(075・611・5800)。

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