聴覚に支障ある人の情報収集ツール1位はスマホ

 購入する商品を選ぶための情報を収集するツールとして、聴覚に支障がある人たちの間でスマートフォンの人気が最も高いことが、一般財団法人「国際ユニヴァーサルデザイン協議会」(IAUD、横浜市)のアンケートで分かった。時代の変化に伴い、テレビは長年保った1位の座から陥落したが、僅差で2位にとどまり、依然、重要なメディアと認識されていることも判明した。

 アンケートは今年1~3月、IAUDの「CM字幕プロジェクト」部会がインターネットで実施。聴覚障害者(身体障害者手帳を持っている人)652人▽難聴者(聞こえにくさを感じるときがある人)82人▽聴者(聴覚に問題のない人)513人-の計1247人から回答を得た。

 その結果、聴覚障害者と難聴者を合わせたグループで、商品情報の収集ツールとしてよく使われているのは、1位スマホ▽2位テレビ▽3位雑誌▽4位カタログ・チラシ▽5位店頭-の順。これに対して、聴者からの回答で「店頭」が3位に食い込んでいるのが目立った。

 「店頭」の順位の違いについて同部会は、店先でのやり取りなどで意思の疎通が難しいと感じがちな聴覚障害者は、商品情報をスマホなどで事前に調べることにより、店頭でのやりとりを最低限にとどめたいという気持ちがあるのではないかと分析している。

 「一部のCMに字幕が付いていることを知っているか」との問いには、聴覚障害者・難聴者の約73%が知っていたと回答。これに対して聴者は約36%にとどまり、字幕付きCMの認知が広まっていないことが浮かび上がった。

 CMや動画に字幕が必要だと思う業種は、聴覚障害者・難聴者では「オリンピック・パラリンピック」が1位、食品が2位。同部会は「聴覚に支障のある人たちは、日々の話題や暮らしに必要な情報となることが多い分野で、家族との情報格差を感じている」と指摘した。

 協議会は今回の調査を通じ、聞こえる人も聞こえない人も対等に情報を得られる環境整備が必要と結論。「来年の東京五輪・パラリンピックを控え、さまざまなメディアで多言語対応だけでなく、聴覚障害者への情報格差もなくしていくべきだ」と提言した。

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