滋賀県、豚コレラ感染防止策強化

 北陸や中部地方で野生イノシシの豚コレラウイルスへの感染が確認される中、滋賀県多賀町で見つかった野生イノシシ1頭の死骸が、豚コレラに感染していた疑いがあることが判明した。ウイルスを媒介するとされる野生イノシシの感染が確認されれば県内では初めてとなる。滋賀県は養豚場に消毒などの指導や感染の有無を調べるための野生イノシシの捕獲調査など感染拡大の防止に向けた対策を強化する。

 滋賀県内には日野町、東近江市、近江八幡市、高島市に計5戸の養豚場があり、計約4千頭の豚が飼育されている。県によると、感染の疑いのある野生イノシシの死骸が見つかった場所から一番近い養豚場まで直線距離で約30キロメートル離れている。

 5戸の養豚場にすでに感染を防ぐための防護柵を設置され、7月には緊急の消毒を実施するなどの対策に取り組んでおり、現時点で飼育されている豚に異常などはみられないという。

 県は昨年9月以降、累計36頭の野生イノシシや死骸を検査をしたが、感染は確認されていなかった。感染の疑いのある野生イノシシの死骸が見つかったことを受け、19日に「県特定家畜伝染病対策会議幹事会」を開き、関係部局などが今後の対策などを協議する。

 農林水産省は感染した野性のイノシシが確認された地域を囲う形で、餌に発症を抑えるワクチンを混ぜた「経口ワクチン」を帯状にまく「ワクチンベルト」の構築を進めている。県内でも今月下旬から、多賀町や高島市、東近江市などの山間部で散布作業が始まる。

 県は農水省の対策とは別に、感染の有無を調べるための野生イノシシの捕獲強化に必要な費用など約1700万円を18日開会した9月県議会に提出した今年度補正予算案に計上。三日月大造知事は「国や関係県などと連携し、しっかり対応する」と説明している。

 18日に県庁で記者会見した県畜産課の渡辺千春課長は「豚コレラは病性が強くないため発見しづらい。早期発見が難しい中で被害が広がっている」と懸念を示した上で、「すでに野生イノシシの捕獲強化を始めている。重点調査エリアは農水省によるワクチン散布のエリアにも入っており、国と協力しながら対策に取り組んでいく」と強調した。

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