万博はオワコン? アメリカ館「月の石」に代る目玉は

 一方、25年大阪万博は、当時ほどの喧噪(けんそう)はみられないだろう。

■待ち時間なしの万博へ

 経済産業省が今夏にまとめた報告書は、人工知能(AI)などを活用して人の流れを制御し、入場や会場内の待ち時間をゼロにすることを求めた。整然とした万博会場が目の前に広がるはずだ。

 万博開催地の大阪に拠点を置く大企業も企業名を冠した「単独パビリオン」の出展には興味を示さない。

 70年万博で「松下館」を出展したパナソニックの津賀一宏社長は、グループ単独でのパビリオンを見送る考えを示す。関西電力の幹部は「企業連合体での取り組みになるだろう」と話す。

 2005年に開催された「愛・地球博」の来場者数は2200万人、大阪・関西万博の想定来場数は2800万人だが、それでも70年万博に比べれば半分以下。家電が庶民のあこがれだった当時と、スマートフォンを個人が所有するまでになった成熟した情報社会とは世相は異なる。

 国家プロジェクトだった月面探査もベンチャー企業が手掛ける時代だ。米アマゾン・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が立ち上げたブルーオリジンは月着陸船を2024年に打ち上げる計画。ヤフーに買収されるインターネット衣料品通販大手、ZOZO(ゾゾ)の前社長の前沢友作氏も月旅行を目指している。大阪万博が開催されるころには、月に民間人がたどり着いている可能性がある。70年万博を象徴した「月の石」に代わる看板展示を作れるのか。求められるハードルは上がっている。

■プラットフォーマーに追いつけるか

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした25年大阪万博の具体的な展示内容の計画策定はこれからだ。関係者はどんなプランをイメージしているのか。

 日本国際博覧会協会の石毛事務総長は「おもしろい」をキーワードに、「ベンチャー企業や中小企業、若い人が活躍する機会をつくりたい」と話す。

 大阪大学の森下竜一教授は「10歳若返るパビリオン」の構想を描く。入館者は血液や脳、肌などの年齢を測定し、それぞれの若返りに必要な食事やプログラムを提供したいといい、「年の障壁を忘れて自分自身と出会える場にしたい。帰った後も健康で命輝く、人生100年時代をもっと幸せにするレガシー(遺産)を残す」と語った。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ