朝鮮高僧の墨蹟の複写に協力 京都・興聖寺がデータ提供

 江戸時代に朝鮮から派遣された朝鮮通信使の礎を築いた高僧、松雲大師直筆の墨(ぼく)蹟(せき)を所有する臨済宗本山興聖寺(こうしょうじ)(京都市上京区)は19日、大師ゆかりの韓国の寺に墨蹟の画像データを無償提供したと発表した。10月にソウルの国立中央博物館で授与式がある。

 松雲大師は、豊臣秀吉による朝鮮出兵(文禄・慶長の役)で、義僧兵を率いて日本と戦った。その後、京都で徳川家康と面会し、国交回復や朝鮮人捕虜の帰国交渉に尽力。1607(慶長12)年に始まった朝鮮通信使の基盤を築いた。

 韓国では、戦争などのため松雲大師の書はほとんど残っていないが、大師がまつられている表忠寺(ピョチュンサ)(韓国・密陽市)から依頼があり、興聖寺が所有する墨蹟3点の画像データを提供。このデータをもとにした複製が韓国で初めて公開されることになった。墨蹟には、松雲大師が興聖寺の開山僧に名前を与えたことなどが記されているという。

 来月4日の授与式には興聖寺の望月宏(こう)済(さい)住職(46)も出席し、原本の墨蹟の一般公開も行われる。望月住職は「長い両国の歴史の中で、友好を築く努力がなされてきたことを知ってほしい」と話している。

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