「105系」9月末で引退 JR和歌山線で35年

 ありがとう、105系-。昭和59年から35年にわたり、和歌山県北部のJR和歌山線を走ってきた電車「105系」が9月末で沿線から姿を消す。青緑色の車体が特徴的で、紀北地方ののどかな風景に溶け込んでいた。同県橋本市の橋本駅では105系の写真展を開催中で、角野敦彦駅長(56)は「長年皆さまに愛された車両で、感謝を込めて企画した。電車に乗って、ぜひ見に来てほしい」と話している。

 JR西日本和歌山支社などによると、国鉄時代に東京を中心に活躍していた車両は59年、電化した和歌山線に「105系」として導入され、“第2の人生”を歩んだ。以前はクリーム色をベースに朱色のラインが入った外観だったが、現在は太平洋の鮮やかさをイメージした青緑色。

 今年3月から新型車両227系が順次導入されていることに伴い、和歌山線での走行を終えることになった。

 そのため橋本駅の駅員らが惜別の思いで105系を送ろうと、写真展を企画。支社内で作品を募り、駅構内には105系と別車両や花との“共演”など約50点を展示している。

 駅改札口のそばには投票箱を設置し29日まで投票を受け付けており、10月には「思い出の105系写真大賞」を発表するとしている。

 JR西では沿線の自治体や学校などと協力して和歌山線の活性化を目指すプロジェクト「ワカカツ」を推進しており、同県立那賀高校(岩出市)の放送部では、部員が駅員役になったプロモーションビデオなども制作。顧問の茂田美珠穂教諭(38)は「レトロな車両でかわいらしく、撮影側にとっても色合いが周辺の風景に合っていてよかった」と振り返る。また、副部長の3年、栗栖千奈さん(17)も「新しい電車も乗り心地がよくて快適ですが、105系は通学のために1年生の頃から利用しているし、撮影にも使ったことがある思い入れのある電車。先輩や後輩とも『なくなるのは寂しいね』と話しています」と述べた。

 東京出身の鉄道ファンで、東京で走行していた頃を知る和歌山市の会社員、渡邉篤さん(55)は「転勤で和歌山に来た際、サラリーマンらを多く乗せていた車両が色を変えてのどかな紀の川筋を走っているのを見て感動したものだった。再会できた友達を失うような感じがしますが、『お疲れさま』と言ってあげたい」と話していた。

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