教育学者・齋藤孝氏が警鐘「“日本語の乱れ”よりも警戒すべきは…」 語彙力アップへ「読書はしておいた方がいい」

 文化庁が実施した「国語に関する世論調査」が話題だ。「憮然(ぶぜん)」などの言葉について、本来とは違う意味でとらえている人が増えているという結果だが、『声に出して読みたい日本語』で知られる明治大文学部教授で教育学者の齋藤孝氏は「誤用が当たり前になることもある」と強調する。そして齋藤氏が“日本語の乱れ”よりも警戒すべきだと指摘したものは-。

 文化庁の調査では「憮然」の本来の意味は「失望してぼんやりとしている様子」だが、56・7%の人が「腹を立てている様子」と回答。11年前の調査よりは減ったが、誤用している人が半数を超えている。

 また、自分の言葉に嘘偽りなく、固く約束するさまを意味する「天地神明に誓って」という慣用句を「天地天命に誓って」と使用すると答えた人が53・7%いた。

 この結果を受けて齋藤氏は、「日本語は時代に合わせて変化しているので、現代において乱れがひどいということではない」と語る。「慣用句というのは少しずつ意味が誤解されていき、誤用が当たり前になることもあり、結果として、一般化され、辞書に加わることになる」との解説だ。

 誤用が誤用でなくなりそうな言葉はほかにもある。齋藤氏によると、親密であることを意味する「気の置けない」も、気を許せないという否定的な意味で使われるが、今後は一般化する可能性があるという。本来いい意味の「煮詰まる」を行き詰まる意味で使う誤用も、「間違いではなくなる可能性がある」(齋藤氏)。

 文化庁の調査で誤用の問題より齊藤氏が深刻に受け止めているのは、読書離れを示すデータだ。

 読書量が「減っている」と回答した人は67・3%で、5年前よりも2・2ポイント増加。読書量を増やしたいと「思う」「ややそう思う」と答えた人は5年前の調査より5・9ポイント減って60・4%にとどまっている。

 齋藤氏は「読書をしないと語彙力が上がらない。ネット社会になり、造語能力はこれまで以上にあるが、校正能力の低下を感じるネットニュースもある。読書はしておいた方がいい」と指摘する。

 語彙力アップには夏目漱石や森鴎外など文豪の作品をオススメする齋藤氏。そうとわかれば今日から帰って読書だ。

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