真岡鉄道のSL、23日に最後の重連運転 維持費かさみ1両は譲渡へ

 栃木県と茨城県を結ぶ真岡鉄道真岡線で23日、蒸気機関車(SL)を2両つないで走る「重連運転」が行われる。観光の目玉として25年前からSLを運行してきたが、維持費がかさむため保有する2両のうち1両を譲渡することになり、これが重連でのラストランとなる。最後の雄姿を記憶にとどめようと、多くのファンが沿線に集まりそうだ。

 真岡鉄道の観光列車「SLもおか」は、平成6年に運行が始まった。福島県川俣町で静態保存されていたC12形を譲り受け、10年には、新潟県水原町(現阿賀野市)から予備機としてC11形を導入。以来、2両体制で土日祝日を中心に走ってきた。

 鉄道車両は数年ごとに大規模な分解・整備を伴う「全般検査」が義務付けられ、SLの場合は1年以上を要することもある。それでも真岡鉄道は2両体制を生かし、SLを通年運行できることが強みだった。

 しかし全般検査は1両当たり1回1億4千万円以上かかり、老朽化に伴って維持費もかさむようになった。そのため2両を保有する芳賀地区広域行政事務組合は、C11形の売却を決定。今年3月に入札を行い、東武鉄道へ譲渡する見通しとなった。

 C11形は来月から半年間の定期検査に入り、その間に東武への譲渡がまとまる見込みのため、C12形との重連運転は今回が最後となる。当日は往路が下館発午前10時35分、茂木着午後0時6分で運行。復路は茂木を2時26分に出発し、約1時間後に着く真岡駅で1両を切り離す。

 現在、日本国内でSLを定期運行している鉄道会社は8社ある。関東地方は真岡鉄道、秩父鉄道、東武鉄道のほか、JR東日本も群馬県内で季節運行している“SL激戦区”。通年運行の強みを失う真岡鉄道と沿線自治体には、新たな一手が必要となりそうだ。(山沢義徳)

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