原発再稼働問題の争点化なく…茨城・東海村議選19日投開票

 運転停止中の日本原子力発電東海第2原発が立地する茨城県東海村で19日、任期満了に伴う村議選が投開票される。原電はすでに再稼働の方針を関係自治体に伝達しており、新議員の任期中、自治体側が同意の可否の態度表明を迫られる可能性は高い。ただ、村議選で原発問題に積極的に言及する候補は少なく、複数の陣営関係者は「争点になっていない」と口をそろえる。

■有権者の関心低く

 「東海第2原発は世界で最も厳しい日本の安全基準をクリアした!」

 ある再稼働推進派の現職は17日、村内の商業施設前での演説でこう強調した。

 ただ、再稼働の意義や必要性に踏み込むことはなく「村民が安心できる議論が必要だ。反対派も推進派も中立派も同じテーブルについて議論する場を設けたい」と言葉をにごした。

 村議選は定数18に対し21人(現職18人、新人3人)が立候補しているが、再稼働問題を訴えの軸に据えているのは一部の再稼働反対派候補だけで、争点に浮上しているとは言いがたい。

 再稼働問題に積極的に触れない理由を複数の候補に尋ねたところ、「有権者の関心が低い」という答えが多く返ってきた。ある再稼働推進派候補は「支持者からは、財政や福祉など日常生活にかかわる要望のほうが多い」と明かす。暮らしに直結する課題を主張したほうが「票になる」というわけだ。

■「極力触れたくない」

 ただし、再稼働問題は新議員にとって避けては通れない課題だ。

 東海第2原発を再稼働させるために、原電は、立地自治体である茨城県と東海村、周辺の5市から地元同意を得なければならない。現在、原電は再稼働を前提とした安全対策工事を進めており、来年にも終了する可能性がある。新議員の任期中に再稼働問題が重要局面を迎える公算は大きい。

 東海村をはじめとする茨城県北部は原発関連産業に従事する有権者も多く、脱原発派も「原発問題はセンシティブな課題」(立憲民主党関係者)と評する土地柄だ。連合傘下の電機連合の関係者は、村議選の様相をこう読み解いてみせた。

 「再稼働推進派は『百パーセント安全なのか』と有権者から尋ねられると困る。反対派は『地元の産業はどうなるのか』といわれたら言葉に窮する。賛否が割れる問題に極力触れたくないのが候補者心理だよ」(永井大輔)

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