新型肺炎、韓国、雪不足…さっぽろ雪まつり多難な開幕

 北海道の冬の風物詩「さっぽろ雪まつり」が4日午前、メイン会場の大通公園(札幌市中央区)で開幕した。71回目の今年は、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の影響で、中国人観光客の減少が懸念される。日韓関係の悪化による韓国人客の激減と記録的な雪不足に加え、多難な開幕となった。

 今年は、昨年のラグビー・ワールドカップ日本代表のリーチ・マイケル主将や東京五輪・パラリンピック関連の雪像が登場。高さ約15メートルもの大雪像をはじめ、世相を映す大小の雪氷像約200基が並んだ。昨年末からの記録的少雪で、雪像の雪を例年より遠方から調達した。

 一方、肺炎の感染予防のため会場には消毒液が設置され、飲食出店者らにはマスクの着用を推奨。来場者にも、日英中の3カ国語でマスクの着用を呼びかけている。

 市内ではマスクが品薄となっており、実行委員会の担当者は「ボランティアに配布するため、在庫不足となっているマスクの枚数確保に努めている」と話す。

 雪まつりには例年、中国など海外から多くの観光客が集まる。市によると、昨年は約273万7千人が来場し、3会場開催となった平成5年の第44回以降で過去最高を記録した。このうち外国人が約32万7千人と約12%を占めた。

 しかし、いわゆる徴用工問題をきっかけに日韓関係が悪化し、北海道でも韓国人観光客が激減している。国土交通省の新千歳空港事務所によると、空の玄関口となる新千歳空港の昨年12月の国際線旅客数(速報値)は、韓国路線が約4万4千人で前年同月比33・5%と低迷。一方、中国路線は対前年比156%の約8万8000人だった。

 ところが、新型肺炎問題で、中国が先月27日から海外への団体旅行を停止。このため、札幌市は宿泊施設に調査し、3月末までのキャンセル数が推計延べ13万3千人分に上り、64億円程度の経済損失が生じると試算した。

 秋元克広市長は3日の記者会見で「春節(中国の旧正月)と雪まつりという中国からの観光客が多く見込める時期。非常に大きな影響がある」と懸念を示した。市は、北海道外から日本人観光客を呼び込もうと、宿泊予約がしやすくなっているという情報の周知に努めている。

 国や道などの関係機関も、新型肺炎の影響を受ける中小企業向けに経営相談窓口を設けている。中国人の訪日需要を背景に、好調に伸びてきたインバウンド(訪日旅行)は曲がり角に立ったようだ。

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