iPS心筋移植、慶大が了承 今夏にも実施

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心臓の筋肉(心筋)細胞を球状に加工し、重い心不全患者の心臓に移植する福田恵一慶応大教授らの臨床研究について、同大の委員会が計画の実施を了承したことが5日、分かった。近く厚生労働省に実施を申請し、今夏にも移植を実施する。

 心筋が薄くなって収縮力が落ち、不整脈などの心不全症状が起きる「特発性拡張型心筋症」という難病の患者が対象。幅広い年齢で発症し、国内患者数は2万人以上とみられている。

 重症患者に移植し、安全性と有効性を1年間確認する。昨年5月に学内の委員会に審査を申請していた。

 iPS細胞を使い心不全の症状改善を目指す再生医療の研究は大阪大が先月、シート状の心筋細胞を心臓に移植する別方式の手術を実施。慶大の計画が実施されれば2方式目となる。

 京都大が備蓄しているiPS細胞から心筋細胞を作製。約千個をひとかたまりの球状に加工し、特殊な注射針で心臓の複数の場所に移植する。患者1人に移植する細胞は計約5千万個。移植後に心臓の一部として成長し、心機能の改善が見込まれるという。

 iPS細胞から作る細胞はがん化の恐れがあるが、安全性が高い作製法を開発し動物実験で移植後にがん化しないことを確認した。福田教授は「安全性を確認して治験に進み、令和4年ごろの再生医療製品の承認を目指す」と話している。

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