15年前のいじめで第三者委設置へ 神戸市教委、再三陳情も調査せず

 神戸市立小学校で約15年前、当時小学5年生だった男性(25)が複数の同級生からいじめを受けていた可能性が高いとして、神戸市教育委員会がこれまでの対応に問題がなかったかを検証する第三者委員会を近く設置することが13日、分かった。

 市教委はこの事案について平成18年2月には学校から報告を受けていたのに、男性から直接聞き取りを行ったのはその約6年半後だった。面談はその一度きりで、いじめかどうかの判断を現在まで見送っている。

 男性側は23年以降、いじめと認定するよう求めて市議会に陳情を重ねてきた。昨年11月、与野党の構成が変わったことで16回目の陳情が初めて採択され、市教委がようやく第三者委の設置方針を固めた。

 男性の父親(56)や男性が同級生側に損害賠償を求めた訴訟の記録によると、いじめは小学5年だった17年から約1年間にわたり行われた。男性は同級生から「いじめ宣言」を受けて、複数の児童から日常的に暴行された。さらに万引を強要されたり、50万円超の現金を脅し取られたりして、翌年春に転校を余儀なくされた。

 訴訟では21年6月の1審神戸地裁判決、21年12月の2審大阪高裁判決で、いずれも同級生によるいじめ行為があったと認定され、男性側勝訴の判決が確定している。

 市教委は1審係争中の20年2月、学校による聞き取りでは双方の言い分に齟齬(そご)があるとして「いじめ・恐喝の事実があったかなかったか断定できない」との文書を神戸地裁に提出。判決確定後の24年9月になって初めて男性と面談したが、「いじめの定義に合うか判断できなかった」としている。

 市教委は裁判所の事実認定を踏まえ、現在は「いじめだった可能性が極めて高い」としているが、明確な結論は留保している。

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