進む鉄道の自動運転 JR各社が相次ぎ試験、人手不足背景

 一方で、各鉄道会社では人手不足が問題となっている。国交省鉄道統計年報によると、JR7社の運転士など現場の社員数は20年度に9万3891人だったが、28年度には8万5956人に減少した。55歳以上が多くを占めており、今後は大量退職が進んでさらに人手不足が深刻化する見通しだ。

 こうした事態を受け、同省は自動運転の技術を向上させて導入路線を広げたい考えで、30年から各社や有識者らと実用化に向けた検討会を開いている。

 鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは「技術が進んで全国の鉄道で実用可能になれば、これまで採算をとるのが難しかった過疎地域で列車の本数を増やしたり新たな路線を引いたりすることも期待でき、ニーズは今後高まるだろう」と話している。

トラブル対応が課題

 鉄道の自動運転で課題となるのが、車両の不具合や線路内への立ち入りなど突発的なトラブルに対する対応だ。

 過去には平成5年に大阪市の「ニュートラム」が終着駅の住之江公園駅のホームをオーバーランして車止めに衝突し、200人以上が負傷する事故が発生。令和元年6月には、横浜市の「金沢シーサイドライン」の新杉田駅で自動運転の車両が逆走し車止めに衝突して17人が重軽傷を負った。

 踏切があり、人が立ち入りやすい一般的な路線で自動運転を導入する場合、さらに突発的なトラブルが起きるリスクが上がる。自動運転の導入に向けた国土交通省の技術検討会では、不具合発生時の避難誘導方法や、線路内を監視したり線路上の火災を検知したりする技術の活用などが議論されている。

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