歴史・文化伝える「伝統野菜」はいかが? 「木之山五寸にんじん」が旬

 定番料理に欠かせない野菜は、スーパーに行けば季節にかかわらず手に入る。そんな便利な今だから、旬を味わいたいなら、「在来」や「伝統」と名のつく、地域で食べ継がれてきた地物に目を向けてみてはいかがだろう。 (津川綾子)

 愛知県大府市で栽培されている伝統野菜「木之山五寸(このやまごすん)にんじん」は、今、旬を迎えている。

 芯まで赤く、甘みが強いのが特徴。生産者の山口友和さん(81)は、「冬を越そうとするため、味がのってきておいしい」と話す。

 伝統野菜は一般的に生産が小規模だ。木之山五寸にんじんの場合、出荷を行うのは4軒ほど。昔は25軒くらいあったが、後継者不足で高齢化が進み、作付け面積が縮小されていったという。

 山口さんは50年来、育てたニンジンから再び種を取り植える「自家採種」を行ってきた。

 自家採種の方法はこうだ。2月ごろ、収穫したニンジンの中から種をとる「母本(ぼほん)」を選び、種とり用の畑に植える。春になると母本から芽吹き、6月下旬に花が咲く。種ができたら乾燥させ、8月中~下旬、それを畑にまく。するとまた冬にニンジンができる。

 山口さんのこだわりはやわらかく、芯まで糖度が高くなること。「どんなニンジンを母本とするかで味も違ってくる」と言う。

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