例題集「慣例上は禁止」 共通テスト作成、センターが認識

 大学入学共通テストの国語問題を作成する分科会の複数の委員が記述式の例題集を出版し、利益相反などの疑念を指摘されて辞任した問題で、委員の一人が、例題集の筆頭執筆者を務めていたことが17日、関係者への取材で分かった。共通テストの作問担当者が受験対策にも使える市販本の出版に中心的に関わっていたことで、公平性などへの懸念がさらに強まりそうだ。

 関係者によると、大学入試センターが設置した国語問題作成の分科会は非公表だが20~30人の委員がいるとされ、例題集の筆頭執筆者を務めた委員は、リーダー的な存在の一人だったという。この委員は辞任しているが、センター側は当時は分科会長ではなかったとしている。

 一方、センターは17日、例題集の中に来年実施される問題の内容を「類推できるような情報は記載されていない」とする見解を公表した。また、複数の委員が辞任したことを認めつつ、辞任の理由や経緯などについては公表しない方針を明らかにした。

 センターによれば、問題作成を担当する委員が例題集を出版することについては、明確なルール違反ではないものの、「委員の間での共通認識として、慣例上禁止されている」などと説明。ただ、今回の問題で辞任した委員の人数や、辞任の理由は問題作成の機密性の上から公表できないとした。

 混乱が続く共通テストをめぐっては、問題内容などに対して受験生らの不安が高まっている。センターが今回の経緯を非公表としたことで、透明性などに対し懸念がさらに強まりそうだ。

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