「原発不明がん診療ガイドライン」ができて10年 専門医「診断・治療の道筋が示された」

 【「原発不明がん」と闘う】

 □がん研有明病院化学療法部・総合腫瘍科・ゲノム診療部 高橋俊二部長

 どこから生まれたかわからない原発不明がんは、進行した状態で見つかることが多く、患者の約8割が予後不良という。新しい診断法や治療薬の開発が待ち望まれているが、全がん患者の1~5%と患者数が少ないゆえに進展にはハードルが立ちはだかる。

 「約10年前にようやく『原発不明がん診療ガイドライン』ができて、診断・治療の道筋が示されました」

 こう話すのは、がん研有明病院化学療法部・総合腫瘍科・ゲノム診療部の高橋俊二部長。長年、数多くの原発不明がんの診断・治療を行い、研究にも力を注いでいる。今月20日までクラウドファンディング(インターネット経由の資金調達法)で、「原発不明がん」の研究費を公募中だ。

 「最初にできた臓器がわからないことで、どこで検査の区切りをつけて原発不明がんと診断するのか不明確で、医療従事者も、患者さんも不安を抱えています」

 たとえば、がん検診などで肺がんの疑いがあるときは、さらに詳しく調べることで、肺がんの中でも腺がんという種類か、扁平上皮がんという種類かなど、詳細がわかる。その上で治療方針を決めるのが一般的だ。ところが、原発不明がんでは、肺がんの疑いだったのに、肺がんではないことが明らかになってしまう。どこから、肺へ転移したのか。胃か、大腸か、消化器系の検査を行っても、がんは見当たらない状況が続く。

 「胃がんではない、大腸がんではないといった除外診断を積み重ね、最終的に原発不明がんと診断します。が、診断がつかないので、数カ月間治療が受けられない患者さんもいました。診療ガイドラインが示されたことで、診断・治療は行いやすくなりました」

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