列島、どこまで広がる豪雨 「線状降水帯」空気と地形カギ

 九州南部に続いて大雨に見舞われた九州北部で猛威を振るったのは、今回も積乱雲が次々に発生し連続的に雨を降らせる「線状降水帯」だった。西日本・東日本の広い範囲で雨が降り続く中、過去の集中豪雨の6割の原因となったとされる現象は、次にどこで発生するのか。カギは空気の向きと状態、地形にありそうだ。

 6日午後、福岡、佐賀、長崎の3県をまたがるように気象レーダーで赤色の細長い影が確認された。気象庁によると、熊本、鹿児島両県で4日に大量の雨をもたらしたとみられる「線状降水帯」がこの地域でも発生したとみられる。

 線状降水帯は、雨を降らせる積乱雲が次々に発生してほぼ同じ場所に停滞・通過することで作り出される長さ50~300キロ、幅20~50キロの強い雨が降る細長い帯状の領域を指す。

 今回、九州南部・北部で線状降水帯が生じたのは、広く海に開けた地形が作用した。大量の暖かく湿った空気が東シナ海と太平洋の双方から西と南西方向から流入してぶつかって急激に上昇。次々に積乱雲が形成され、上層の風に流されて線状に伸びたのが原因とみられる。

 気象庁気象研究所によると、台風や熱帯低気圧本体以外による国内で発生した集中豪雨の約6割はこの線状降水帯が影響している。日本の幅広い地域で発生し、「いつでもどこでも起こりうるが、予想は困難」(気象庁予報課)という厄介な現象だ。

 同庁天気相談所の立原秀一所長によると、台風と比べて極めて小さいスケールの現象で、多少の条件の差で発生するかしないかが変わるという。現在、九州で線状降水帯が発生しているからといって、「列島を台風のように北上していくわけではない」と指摘する。

 同庁予報課の杉本悟史主任予報官によると、山陰地方では東シナ海から温かく湿った空気が流入することで短時間の線状降水帯が発生する可能性がある。一方、低気圧の活動が低調なため、四国・近畿では山にぶつかり積乱雲を発生させやすい南からの空気の流入が弱く、四国・近畿では発生しづらい状況という。

 関東・東海でも、南から暖かく湿った空気が大量に流入する状況は現時点ではないといい、「可能性はあっても低い」と予測する。

 ただ、線状降水帯の有無にかかわらず、河川の状況などによって被害の様相は異なる。気象庁は引き続き広い範囲での警戒を呼びかけている。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ