新型コロナ、九州豪雨、中国・三峡ダム決壊危機…「ブラック・スワン」対処できるか

 南北朝鮮の迷走、ISIL(イスラム国)の盛衰、米中貿易戦争などもそうだし、日本ではMMT理論でいくら国が借金しても大丈夫などという理論が流行って、財政赤字に鈍感になったというのもそうかもしれない。

 しかも不幸なことは、世界の指導者たちに、人類の将来を哲学者的に考察し、巨視的に行動できるような人が少なく、話がかみ合わないことだ。

 新型コロナ騒動については、拙著『日本人がコロナ戦争の勝者となる条件』(ワニブックス)でも書いたが、年初以来の出来事を振り返って、細かい具体的な対策よりも、想定外の事態が起きた場合に柔軟に対処できる体制が大事だということだと痛感する。

 また、その観点からすれば、安倍晋三内閣の対応は、分かりやすく冴えたものではないが、過度に特定の仮説に依拠して極端に流れず、最悪の事態は上手に避けてきたと評価したい。

 そのあたりも含めて、予想不能の時代に個人・企業・日本・世界がそれぞれどう対処すべきかを、このシリーズでは考えていきたい。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『歴史の定説100の嘘と誤解 世界と日本の常識に挑む』(扶桑社新書)、『ありがとう、「反日国家」韓国』(ワニブックス)、『日本人がコロナ戦争の勝者となる条件』(同)など多数。

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