藤井七段、17歳戴冠へ“大阪の陣”新記録更新には3つの壁 16日大一番

 将棋の高校生棋士、藤井聡太七段(17)が渡辺明棋聖(36)=棋王・王将=に挑戦しているタイトル戦「第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第4局が16日、大阪市福島区の関西将棋会館で指される。藤井七段は2勝1敗と先行し、17歳11カ月での最年少タイトル獲得に王手をかけているが、ベテラン強豪棋士、飯島栄治七段(40)は、“大阪の陣”での新記録更新には3つの高い壁があると分析した。

 大逆転勝利から一夜明けた15日、藤井七段は王位戦七番勝負第2局を戦った札幌から棋聖戦の舞台、大阪へ移動。渡辺棋聖と激突する、16日の第4局に備えた。

 13、14の両日で指された王位戦第2局では、劣勢で突入した最終盤で粘って食らいつき、木村一基王位(47)の「寄せ損ない」を誘って大逆転。同シリーズ2連勝を果たし、最年少タイトル獲得がかかる大阪決戦に弾みをつけた。

 だが飯島七段は、藤井七段に立ちふさがる3つの壁があると指摘した。

 【ハード日程】

 まず、中1日で迎えるタイトル戦の“連戦”。「藤井七段は王位戦で不慣れな2日制を戦った。長い対局で勝つと負けるとでは疲労感が全く違う。新たな自信になったはずだ。だが棋聖戦へのプラス材料は勝ったことだけとも言える。中1日では、渡辺棋聖との対局準備は、ほとんどできないのではないか」と推測した。

 【矢倉への対応】

 対局の展開にも苦しみそうだ。「第4局で先手番となる渡辺棋聖は、得意な矢倉囲いを選択すると予想される。第2局では矢倉で戦い、敗れたが、絶対に納得していないだろう。もう一度、矢倉で臨むはずだ」と飯島七段は予想。

 「一方の藤井七段は、王位戦で木村王位の攻撃的な相掛かりに対処した。だが対矢倉では玉への距離感が全く違う。160キロの速球に慣れた状態からチェンジアップに対応しなければいけない」と王位戦の“残像”を振り払うことができるかが鍵だという。

 【不利な後手番】

 最後の難関が後手番。「藤井七段はたとえば先手の場合、得意な角換わりで過去27勝4敗と圧倒的な強さを誇る。だが後手番では勝率は下がる。後手だった王位戦第2局でも序中盤は木村王位に押し込まれた。渡辺棋聖はその不安定さを見ているはず」と、矢倉の陣形が整った後の中盤戦に注目する。

 藤井七段に立ちふさがる新記録更新への3つの壁。飯島七段は「強い棋士が向き合わなければならない宿命。永世七冠を達成した羽生善治九段(49)も通った道だ。藤井時代を築く重要な勝負になる」とエールを送った。

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