藤井新棋聖、AIと切磋琢磨 ひらめき加わり“異次元の手”に

 高校生棋士で後手の藤井聡太七段(17)が、「現役最強」と評される渡辺明棋聖(36)=棋王・王将=を下し、3勝1敗で初タイトルの棋聖位を獲得。17歳11カ月で史上最年少タイトル獲得の記録を30年ぶりに更新した。

 藤井新棋聖の最年少タイトル獲得は、人工知能(AI)と切磋琢磨してきた結果でもあった。かつてアマレベルだった将棋ソフトが、ここ20年ほどでトップ棋士をもしのぐほどに進化。新棋聖も研究に取り入れ、「ソフトの読み筋の評価値を見て、自分の考えと照らし合わせるという使い方が多い」と明かしている。

 将棋ソフトは対戦相手を務めたり、ある局面での有力な一手を示したりする機能を持つ。過去の膨大な棋譜データに基づいて「評価値」と呼ばれる値で、どちらの形勢が有利なのかを表現。駒の損得や駒の働き、玉の安全度などから総合的に判断される。藤井新棋聖は序盤が上達しないという課題を克服するために、中学1年時から自宅のパソコンで使い始めた。

 “世界最強”とされる将棋ソフト「水匠」の開発者で、弁護士の杉村達也氏(33)は「(藤井新棋聖が)序盤から柔軟に対応しているのは、AIと指していることが大きい」と分析。その上で「中盤から終盤では未知の局面が出てくる。そこは藤井さんの才能というか努力。大局観や読み以外のものもある」。AIにはない流れや対局の空気、ひらめきなどが加わり“異次元の手”につながっているという。

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