広範囲で大きな被害を出した豪雨 自衛隊の“やりきる姿”が復興にエンジンをかける 桜林美佐氏が被災地をリポート

 そこで、自治体とボランティア、建設業関係者、そして即自も加わった自衛隊によって畳の処分を試みることになった。名付けて「畳一掃大作戦」だ。家から運び出し、集積場に運搬、処理業者に届けるまでをチームプレーで行う。

 「水を吸った畳はひどく重くて、しかも腐食が進んでいるんです」

 悪臭を放つ畳にはウジも湧き、蒸し暑さと体中の痒みとの闘いになっているという。しかし皆、黙々と作業にあたっている。これらが片付かないと市内の交通や避難所へのアクセスが困難になっている状況があり「緊急性」の観点で自衛隊のマンパワーが期待された形だ。

 災害時における地元の要望は、必ずしも自衛隊の能力や資源を活かすものではない場合がある。それでも自衛隊が必要とされるのは、「可及的速やかな処置」が求められることと、もう一つ理由があるように思う。

 「自衛隊が来てくれるだけで勇気が出る」という声がよく聞かれるが、自衛隊が被災者の心に届けている「目に見えないもの」があるからだ。

 長期にわたる依存はもってのほかであり、作業の速やかな民間への移行が必要であることは言うまでもない。一方で、どんな悪条件下でも、やりきる姿を見せること、それが復興にエンジンをかける。そんな役割も自衛隊にはあるのかもしれない。

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