藤井棋聖、18歳で語った「ピークは24歳から30歳」

 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)で今月16日に初タイトルを獲得したばかりの高校生棋士、藤井聡太棋聖(18)が取材に応じ、「面白いと思っていただけるよう、よりよい将棋を指したい」と棋聖としての抱負を述べた。19日に18歳の誕生日を迎えたが「今までと変わらず、自然体で臨みたい」と、藤井棋聖らしく気負わない姿勢を見せた。

 藤井棋聖は王位戦七番勝負にも挑戦中で、現在、木村一基王位(47)に2連勝しており、8月4、5日に第3局、同月19、20日に第4局が控えている。4勝して王位を獲得すればタイトル獲得2期となり、規定で八段に昇段する。

 加藤一二三・九段(80)=引退=が18歳3カ月の最年少で八段に昇段した記録を更新する可能性があるが、これまで通り「記録は意識していません」。さらに「第1局、第2局と木村先生に勉強させていただいたので、第3局以降で生かせれば」と真(しん)摯(し)に語った。

 竜王戦では、決勝トーナメントに進出しており、今月24日の初戦で丸山忠久九段(49)と対戦する。

 「将棋界の盤上の物語の価値は不変」。棋聖戦第4局の終局後の会見で、人工知能(AI)搭載将棋ソフトが進化する中、棋士との共存について意見を問われてそう答えた藤井棋聖。その真意について「対局は、指し手だけでなく、対局者の考えや食事も含めて一つのストーリーがある。そんなところも楽しんでもらえたらという思いでした」と説明した。

 棋聖となって間もなく1週間。「棋聖を獲得した当初は実感が湧かなかったんですけど、あれから『棋聖』と呼んでいただく機会が増え、何となく実感が湧いてきて、身が引き締まる思いです」としみじみと語った。「あとは色紙を書くときに間違えなければいいんですけど…」と表情をほころばせた。

 インタビューは日々の研究や、将棋ファンへの思いにも及んだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出され、対局がなかった4~5月、藤井棋聖は自らの将棋を見つめ直した結果、大きく飛躍したとの評価がある。

 「自分が負けた対局を振り返ると、中盤でバランスを崩してしまったりしている。そうした課題を改善できればと思っていました」と明かした。

 研究や対局など将棋尽くしの日々。疲れることはないかとの質問には「自然にやるのが一番です。研究といっても、それを意識してやっている感じではないですね」とさらりと話した。

 気分転換については「将棋をみるのが趣味の一つですので…」。スマートフォンなどでほかの棋士が指している棋譜中継をながめるのが息抜きになっているという。

 藤井棋聖は将棋界最多の29連勝を成し遂げた平成29年、「自分のピークは18歳から25歳」と語っており、その18歳に差し掛かった。

 「当時は若かったです…。羽生先生(善治九段)が7冠独占を達成したのが25歳。今の自分の感覚としては、ピークは24歳から30歳ぐらいではないかと思います」とこれからも成長を続ける意思を示した。

 今回をきっかけに将棋を始める子供たちに対し、しっかりとした口調でアドバイスした。

 「将棋は勝ち負けがはっきりして、気持ちの上で大変なところがありますが、受け入れて指した将棋を振り返ることで成長できると思います。何より楽しんで指すことが一番です」(中島高幸)

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