「心神」に自衛官ピリピリ、稲田防衛相ニッコリ 機密の塊、「先進技術実証機」X2

 【防衛最前線】(101)

 「インテークは絶対に撮影しないでください。格納庫も奥行きが分からないように撮影してください」

 12月2日、航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)で記者団を迎え入れた自衛官は、厳しい表情で告げた。

 この日は稲田朋美防衛相が国産初のステルス戦闘機「先進技術実証機」(正式名称・X2)を視察した。報道陣にも同機が公開されたが、自衛隊関係者には緊張感が漂っていた。

 インテークとは空気取り入れ口。電波吸収材を使用することでエンジンが電波を反射するのを抑制する。格納庫は全体像が明らかになれば強度などが分かるため、攻撃に対して脆弱になる恐れがある。X2は機密の塊で、報道陣への公開も細心の注意が払われた。

 通称「心神」。平成22年から三菱重工業など国内企業が開発に着手し、今年6月に防衛装備庁に引き渡された。飛行試験はすでに始まっており、約50回の飛行を経て敵のレーダーに映りにくくするステルス性や、小さい旋回半径で飛び回る高運動性などを確認する。 

 ステルス性を実現するのはインテークだけではない。敵レーダーの電波反射を抑えたり方向をそらす外板接合や機体形状、コックピット内からの電波の乱反射を防ぐキャノピーなど、日本企業の技術の粋が集められた。高運動性を支えるのは、推力偏向パドルや、推力制御と飛行制御を統合したエンジンだ。燃料装置の小型化や炭素繊維強化プラスチックの使用による軽量化も高運動性に寄与する。

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