29年度予算案 防衛予算は5年連続増 トランプ氏当選は考慮せず

 平成29年度予算案の防衛費は、前年度比1.4%増の5兆1251億円(在日米軍再編経費などを含む)となり、5年連続の増額となった。北朝鮮の核・ミサイル開発に対応する弾道ミサイル防衛(MD)、中国の海洋進出をにらんだ南西諸島防衛に力点を置いたほか、将来の防衛態勢を見据えた技術開発投資も行う。

 MD関連では射程や精度を向上させた海上配備型迎撃ミサイルSM3ブロック2Aの取得費147億円を計上。防護範囲と高度が約2倍の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)MSEの取得費(1412億円)は28年度第3次補正予算案に計上し、32年度の配備予定を31年度末に早める。

 南西諸島防衛に関しては、中国軍を牽制(けんせい)する改良型03式中距離地対空誘導弾の取得費(174億円)を初めて計上。陸上自衛隊に戦術データリンク機能(3億円)を導入し、地対艦ミサイルの精度向上を図る。離島奪還作戦を担う水陸両用車「AAV7」は11両分(85億円)を盛り込んだ。

 このほか、最新鋭「そうりゅう」型潜水艦の音波探知能力などを強化した新型潜水艦(728億円)、6機の最新鋭ステルス戦闘機F35(880億円)などが並ぶ。

 将来世代の兵器と位置づけられるレールガン(電磁加速砲)の開発費(10億円)は「できるだけ早くやった方がいい」(防衛装備庁担当者)として28年度第3次補正予算案に計上。国産水陸両用車の開発費も3次補正、来年度予算案に分散し、計44億円とした。

 トランプ次期米大統領は同盟国の負担増を求めてきたが、「来年度予算案は既定方針通りでトランプ氏当選は考慮に入れていない」(防衛省幹部)。ただ、トランプ氏の出方次第では30年度予算編成に影響を及ぼす可能性もある。(杉本康士)

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